
こんな、練習熱心な人の要望におこたえします。
こんにちは、ひろみちです。

- ボイトレ歴10年
- 10代の頃に、発声が上手くできず慢性喉頭炎という喉の病気になる→6ヶ月間歌えなくなる
- その後、ボイストレーニングで慢性喉頭炎を克服
- 発声練習を頑張って、高音域の限界が1.5倍伸びる
- メジャーのボーカルオーディションに18回挑戦し、最終ライブ審査進出の経験あり。
ちなみに、吸気発声に関してはちょうど2年6ヶ月間トレーニングしてきています。
ボイトレで数えきれないほどの挫折を経験し、乗り越えてきた僕がお届けします。
「もうカラオケで惨めな思いをしたくない」という方へ。
自由自在に歌える喜びを手に入れたいなら、始めるのは今しかありません。
こんな人は必見です。
- 「吸気発声について、基本的なことを知りたい」
- 「ロングトーンが出せるようになりたい」
- 「ちょっとやそっとでは枯れない喉を手に入れたい」
ボイトレで伸び悩んでいる人は、必見の内容になっています。
少しでも参考になれば嬉しいです。
1.吸気発声とは?【息を吸いながら声を出す】

吸気発声とは、息を吸いながら声を出すことです。
実は、息を吸いながら声を出すことは、ものすごく発声能力を向上させます。
普段使っていない喉の筋肉が目覚めるからです。
詳しい効果などについては、のちほど詳しくお話していきます。
僕たちはふだん話す時は、呼気発声(息を吐きながら声を出す)をしていますね。
吸気発声の分かりやすい例は、お笑い芸人の明石家さんまさんです。
さんまさんが笑う時には「ヒィーーー」と引き笑いをしていますが、これが吸気発声です。
きっと、笑うたびに喉の筋肉が鍛えられているはず。
ボイストレーニングでは、あえて普段使わない吸気発声をすることで、発声能力の向上を狙います。
ちなみに、僕は吸気発声の練習を約2年半前から続けています。
具体的な効果や体験談はのちほどお話しますが、確実に発声能力があがっています。
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2.吸気発声とフースラー
吸気発声とフースラーには、深い関係があります。

フレデリック・フースラーは、世界三大ボイストレーナーの一人です。
フースラーは、スイスの声楽発声の教育者であり、発声教育者として有名な人です。
この記事のテーマである「吸気発声」は、フースラーメソッドの中では定番の練習方法として知られています。
3.吸気発声の効果やメリット
吸気発声には、いろんな効果やメリットがあります。
吸気発声をする機会は、おそらく普段ほとんどないですよね。
呼気発声にくらべると、普段使っていない分、喉の筋肉が強力に鍛えられます。
吸気発声で得られる効果は、以下のとおりです。
- 高音が出せるようになる
- 呼気圧迫が改善する
- 喉(声)の持久力があがる
- ロングトーンが上達する
- 裏声が苦手な人も出せるようになる
それぞれを解説していきます。
1.高音が出せるようになる
吸気発声の練習を続けていると、以前よりも高音が出せるようになります。
吸気発声の練習をはじめる前と比べると、普段使われていない喉の筋肉(神経支配)が鍛えられるからです。
僕は、2年6ヶ月のあいだ吸気発声のトレーニングをしてきて、高音発声が上達しました。

高音が、
- 楽に出せるようになる
- 限界が伸びる
- 声量が増す
という効果があります。
2.呼気圧迫が改善する
呼気圧迫が改善します。
呼気圧迫とは…
簡単に言うと、声を出すとき必要以上に強い息を声帯にぶつけることです。
よくある具体例が、高い声を出そうとする時に強い息をぶつけて音を無理やり上げようとすることですね。
ボイトレ初心者さんがよくやりがちなのが、この呼気圧迫です。
長期間、呼気圧迫の発声を続けていると、喉を壊すことがあります。
僕が半年間歌えなくなったときも、この呼気圧迫+地声の使いすぎが原因でした。
3.喉(声)の持久力があがる
喉(声)の持久力があがります。
吸気発声をくりかえし練習すると、呼気圧迫に頼らない(頼れない)状態で発声を続けることになります。
つまり、極力喉の筋肉だけに頼って発声をするので、筋肉が強力に鍛えられるんです。
すると、より効率の良い発声が身について喉の持久力があがります。
4.ロングトーンが上達する
ロングローンが上達し、より長く声を出せるようになります。
吸気発声で効率の良い発声(肺にためた空気を効率よく使えるようになる)が身につくからです。
具体的にいうと、声帯閉鎖がうまくなるからです。
5.裏声が出せるようになる
吸気発声のトレーニングを続けると、裏声が出せるようになる人もいます。
裏声が出せない人が、引き笑いのトレーニングを続けると、裏声を出す感覚をつかんで呼気発声でも裏声発声が可能になることもあります。
裏声発声はボイトレにおいてとても大切ですので「裏声が出せない」と悩んでいる方にも吸気発声のトレーニングは効果的です。
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4.吸気発声のボイトレ【発声練習・ガラガラ鳴るけど大丈夫?】

いよいよ、吸気発声の発声練習について解説します。
最初に注意点を確認しましょう。
慣れないうちは、長時間練習しない。
喉に疲れや異常を感じたら、すぐに中止する。
※吸気発声は、ほとんどの人がまったく取り組んだことのない練習です。
いきなり長時間つづけてやると、喉に異常をきたす可能性があります。
十分に喉の状態に注意して、自己責任でトレーニングしましょう。
※特に、吸気発声は慣れていない分喉の負担も大きいです。決して無理はしないでください。
やることは、いたってシンプルです。
訓練を続ければ、あなたの歌声はレベルアップしていきます。

吸気裏声トレーニング
息を吸いながら、裏声を出すトレーニングです。
まずは、いつもやっているスケールなどを息を吸いながらやってみましょう。
たぶん、ほとんどの人が上手くいかないですが、普通のことなので気にしないでください。
さきほどお話した、「さんまの引き笑い」もいい練習になります。
吸気地声トレーニング
息を吸いながら、地声を出してみましょう。
吸気地声スタッカート
まずは、太くて深い声で「オッ」や「モッ」と短く(スタッカートで)出す練習です。
繰り返しやっていると、少しずつ呼気発声の音に近づいていきます。
吸気地声ロングトーン
次に、
「モーーーー」と太くて深い声(オペラ歌手のような声)ロングトーンで発声します。
【よくある質問】吸気発声で地声がガラガラなるけど大丈夫?
吸気発声で地声を出す時に、特に最初のうちほどガラガラという変な音がなると思います。
結論からいうと、何も問題有りません。
吸気発声をするときは、特に最初のうちは呼気発声と違い「ガラガラ」や「バリバリ」といった感じの変な音が出るものです。
僕も周りのボイトレ仲間たちも、吸気発声の練習を続けていくうちに
声帯をかすめるような「ガラガラ」という変な音から→「バリバリ」という感じの
ハッキリとした音に変わっていきました。
なので、吸気発生をする時に「ガラガラ」という変な音がなることは自然なことなので大丈夫なんです。
5.【体験談】吸気発声のボイトレ上達過程【2年6ヶ月やってみた結果】
ここでは、僕の吸気発声トレーニング体験談(上達過程)をお話します。

吸気発声が、呼気発声とほぼ同じ声の音色や感覚になるまでに、約1年10ヶ月かかりました。
2年近くかかったんですから、なかなかの危険ですよね。
上達のステップは、大雑把に言うと次のような感じです。
- 【最初】声帯に少し空気がかすれる「ガラガラ」とした変な声
- 【2ヶ月半】少し声と感覚がハッキリとしてきた
- 【5ヶ月】さらに声と感覚がハッキリとしてきた
- 【1年2ヶ月】喉の奥が乾かなくなる。音色と感覚が呼気発声とあまり変わらない状態に
- 【1年10ヶ月】吸気発声と呼気発声の音色と感覚がほぼ同じに
- 【2年6ヶ月以降】トレーニング継続中
【最初】声帯に少し空気がかすれる「ガラガラ」とした変な声
吸気発声のトレーニングを始めたばかりの頃は、全然まともな声は出せませんでした。
感覚としては、かろうじて声帯に少しだけ空気が触れているといった感じ。
声は「ガラガラッ」という変な音が少しなる程度でした。
「吸気発声って、これトレーニングしたら本当にちゃんと声出せるようになるのか?!」って、ずっと不安な状態で練習していました。笑
それと、息を吸いながら声を出す時に、喉が尋常じゃないほど乾きました。
声帯にモロ大量の空気がぶつかってしまっていたからですね。
そこで、バスタオルに大量の水を染み込ませて、口を(というか、顔)多いながら練習してました。笑
これで、喉の乾いてむせる状態はかなり改善できました。
練習開始から2ヶ月くらいは、声帯に少し空気がかすれて「ガラガラ」という変な音がなる状態が続きました。
【2ヶ月半】少し声と感覚がハッキリとしてきた
少し声と感覚がはっきりしてきました。
相変わらず、喉がすごく乾いていました。
なので、吸気発声のトレーニングには、バスタオルは必須でした。
だけど、2ヶ月半過ぎたあたりから少しだけ、声と声を出している時の感覚がはっきりとしてきて、上達を実感し始めました。
「続けていれば、吸気発声でも上達するんだな」と、若干希望のようなものを感じたことを、今でも覚えています。(大げさ。笑)
【5ヶ月】さらに声と感覚がハッキリとしてきた
5ヶ月経つと、さらに上達を実感し、声と感覚がはっきりとしてきました。
まだ呼気発声と比べると劣るものの「声」と呼べるレベルにはなってきました。
声を出している時の感覚も、以前ほどは喉の奥が乾かなくなり、バスタオルなしでもなんとか発声できるようになりました。
練習開始から5ヶ月以上経った頃には、食器を洗いながら吸気発声のトレーニングをできるまでになりました。
はっきりとした上達を実感していたので、トレーニングも楽しく前向きにできるようになったことを覚えています。
【1年2ヶ月】喉の奥が乾かなくなる。音色と感覚が呼気発声とあまり変わらない状態に
さらに吸気発声のトレーニングを続けたところ、1年2ヶ月以降は喉の奥がほぼ乾かなくなりました。
あと、声の音色と感覚が、呼気発声とあまり変わらなくなりました。
我ながら「よくここまでコツコツ練習を続けてきたものだ。うむ。偉いぞ。」と自分を褒めてあげたい気持ちになったことを覚えています。(大げさ。笑)
曲を歌っている時の声の持久力も、吸気発声トレーニング開始前と比べると、かなり上がっていました。
喉の未使用の筋肉を鍛えることの、重要性を痛感しましたね。
空気が乾燥する秋や冬以外は、バスタオルを使わずにトレーニングをしていました。
【1年10ヶ月】吸気発声と呼気発声の音色と感覚がほぼ同じに
発声時の音色と感覚が、呼気発声と吸気発声でほぼ同じになりました。
ロングトーンはまだ呼気発声の方がはるかに長く出せますが、吸気発声の時につかう喉の筋肉がかなり鍛えられた感じです。
喉の奥が乾かなくなって、バスタオルを使わなくてもバリバリ練習できるようになりました。
声の持久力はかなりあがって、一人でカラオケ1時間は余裕で行けるようになりました。
【2年6ヶ月以降】トレーニング継続中
そして、現在も吸気発声トレーニングを継続中です。
上達を実感する周期は、長くはなっていますが今でもモチベーションを保って練習できています。
もちろん、急にうまくなるわけではないですが、数ヶ月ごとにじわじわと上達を実感しています。
人間の喉って、やっぱりかなりのんびり屋さんですね。
数ヶ月間ボイトレをしたからって、喉はすぐには進化してくれません。
吸気発声に関しては、本気で練習していたわけではなくて、車の信号待ちの時間をつかって一日合計5分前後やっていました。
信号待ちって、一回あたりの時間は短いかもしれないけど、積み重なれば膨大になります。
スキマ時間をつかって、これからも気長にやっていきたいです。
大切なことなのでもう一度言いますが、吸気発声のトレーニングをはじめてもすぐには上手くなりません。
コツコツ続けることが、なにより大切です。
6.まとめ
今回は、吸気発声の効果やトレーニング方法を中心に解説しました。
トレーニングを始めたばかりの頃は、上手くいかないことが多いと思います。
吸気発声は、ほとんどの人にとって使い慣れていない声の出し方だからです。
でも、続けて練習すれば、少しずつ発声能力が向上します。
ぜひ、日々の練習メニューに取り入れてみてください。
少しでも参考になれば嬉しいです。

seitai「もうカラオケで惨めな思いをしたくない」という方へ。
自由自在に歌える喜びを手に入れたいなら、始めるのは今しかありません。これから本気でボイトレしていきましょう!