
こういった、よくある悩みに答えていきます。
✓以下に当てはまる方は必見です。
「カラオケを歌う時、高音を地声で厚く出したい…」
「歌う時に高い音で裏声を使うと、急に声量がおちてしまう…」
今回は「高音で厚みを出せるようになる具体的な練習方法」を、僕の実体験に基づいて解説します。
✓もくじ
1.高音で厚みを出すためのボイストレーニング【裏声と地声の練習】
2.高音に厚みを出す練習に関するよくある質問【僕の体験談あり】
3.まとめ
結論からいうと、地声を発声して「閉鎖筋」を鍛えると、高音に厚みが出るようになります。
ちなみに、裏声の発声も並行して行う必要があります。詳しい理由などは、このあと詳しく解説していきます。
✓この記事の信頼性
・僕は現在、ボイトレ歴10年
・10代の時に、発声が上手くできず慢性喉頭炎という喉の病気になる
・ボイストレーニングで慢性喉頭炎を克服
・高音域の限界が1.5倍伸びた
・メジャーのボーカルオーディションに18回挑戦し、最終ライブ審査進出の経験あり。
ボイトレで何度も恥ずかしい失敗をして、克服してきた僕がお届けします。
それでは、順番に見ていきましょう!
1.高音で厚みを出すためのボイストレーニング【裏声と地声の練習】

高音で厚みを出すという意味【太い声と深い声のちがい】
最初に、高音域における声の厚みに関して、大切なことをお話します。
今この記事を読んでいるあなたは、「高音域で厚みを出したい」と願っているはずです。
- 太い声
- 深い声
上の二つの声のうち、高音域における理想的な「厚み」とは、深い声のことです。
高音域でただの太い声になってしまっては、おそらくあなたの歌を聴いている人を感動させることはできないでしょう。
理由は、ただの大きな声で響きがほとんどないからです。
これから解説していく練習を続ければ、あなたの歌声は無駄な力をいれなくても、響き(声量)のある声になっていきます。
ぜひ、響きのある深い声の獲得をめざして、日々鍛錬していきましょう。


高音域で厚みを出す発声練習【裏声→地声】
いよいよ、高音域で厚みをだす発声練習に入っていきます。
具体的には、次の手順でトレーニングをします。
- 息もれのある裏声を発声して「輪状甲状筋」を鍛える
- 地声を発声して「閉鎖筋」を鍛える
裏声で鍛えられる「輪状甲状筋」は、一言でいうと声の高さを変える喉の筋肉です。
音程を取る時や、高い声を出すときに最重要となる筋肉になります

地声で鍛えられる「閉鎖筋」は一言でいうと、左右の声帯(ヒダ)を閉じるための筋肉です。
声は、左右の声帯を閉じることで出ます。
そして、声量のある声を出すためには、閉鎖筋を鍛える必要があります。
閉鎖筋については、【閉鎖筋】の鍛え方を分かりやすく解説します【声帯閉鎖・ボイトレ】
をご覧ください。
「裏声→地声」の順番に鍛えます。
理由は、輪状甲状筋がある程度鍛えられていて、はじめて声帯は上手く閉鎖できるからです。
声の厚みや(響きや豊かな声量)は、声帯がうまく閉鎖されて、初めて生まれます。

高音に厚みを出すための裏声のトレーニング
まずは、最も大切な輪状甲状筋を鍛える方法です。
「裏声をほとんど出したことがないよ」という初心者の方の場合、まずは訓練を十分に行って、輪状甲状筋を鍛えてください。
✓具体的な練習方法
息もれのある裏声を、発声します。
口を縦に開けて、喉の奥を開けた状態で、フクロウの鳴き声を真似して「ホー」と出してみてください。
コツは、一回発声するごとに息を全て吐き切ることです。
広い音域を、無理なく出せる範囲で発声していきます。
喉が締まるほど、無理して高い声を出すのはやめましょう。
1日5分でも良いので、続けてみましょう。
輪状甲状筋のトレーニングについては、【初心者必見】輪状甲状筋の鍛え方【裏声・ミックスボイスに必須】
で詳しく解説していますのでご覧ください。
大切なことなのでもう一度いいますが、初心者の人はまず、輪状甲状筋を徹底的に鍛えましょう。
高音に厚みを出すための地声のトレーニング
声の厚みや豊かな声量を作り出す、閉鎖筋を鍛えていきます。
広角を上げて、息もれさせないように地声で「ハッ」「ハッ」「ハッ」と短く出すからやってみてください。
コツは、喉から一瞬でエネルギーが放出するイメージでやることです。
「ハッ」の発声がうまくできるようになってきたら、次は「マーーー」や「モーーー」とロングトーンもやっていきます。
ロングトーンを出すことで、より閉鎖筋に負荷をかけて鍛えることが出来ます。
地声のボイトレに関しても、1日5分でも良いので続けてみましょう。
裏声と地声のトレーニングを続けることで、厚みと芯のある裏声や地声を出す基礎ができあがります。
声帯閉鎖のトレーニング
裏声と地声を鍛える発声練習を約3ヶ月間くらいこなしたら、声帯閉鎖のトレーニングも並行してやってみましょう。
詳しいトレーニング方法などについては、【声帯閉鎖とは?】やり方や練習方法を解説します【トレーニング】
をご覧ください。
高音で厚みを出すための練習を解説しています。
✓最初からうまく出来る人なんていない
最初の内は、喉が締まったり奥で引っかかる感じがして、うまく声が出せないかもしれません。
僕も最初はうまくできませんでした。
しかし、繰り返しやっていくうちに、だんだん上達していきます。
継続は必ず力となります。
なので、諦めずにコツコツと続けていきましょう。
2.高音に厚みを出す練習に関するよくある質問【僕の体験談あり】

ここでは、よくある質問に僕の体験談とセットで答えていきます。
- お腹に力を入れて発声をすると厚みのある声は出ますか?
- 大きな声で叫ぶ練習をしたら声に厚みや声量は付きますか?
それぞれを解説します。
お腹に力を入れて発声をすると厚みのある声は出ますか?
結論をいうと、初心者の方の場合には、お腹に力を入れて声に厚みを出そうとする方法は、危険なのでやめましょう。
一時的には、厚みのある声が出るようにはなるかもしれませんが、特に喉の筋肉が十分に鍛えられていない初心者の方の場合、喉を壊す危険があります。
なので、まずは徹底的に裏声の訓練をすることが大切です。
実は、僕が慢性喉頭炎になった一番の原因が、裏声の訓練をまったく積んでいない状態で、お腹に無理やり力を入れて高音に厚みを出そうとしたことでした。
僕のボイトレ仲間の1人も、同じ原因で喉を壊したことがありました。


大きな声で叫ぶ練習をしたら声に厚みや声量は付きますか?
結論としては、大きな声で叫ぶような練習は、絶対にやめてください。
なぜなら、大きな声で叫ぶと、声帯に勢いよく空気がぶつかり、ものすごい負担がかかるからです。
この記事の読者の中には、野球などのスポーツ観戦に行って、大声で応援した翌日に「声が枯れてしまった」という経験がある人も多いと思います。
大きな声で叫ぶことは、それだけ声帯や喉に負担をかけます。
ボイストレーニングでは、発声を繰り返すことで、喉の中にある筋肉を効率よく鍛えることが大切です。
力づくで声を出す方法は、上達しないどころか、ポリープなどの音声障害を引き起こす危険性があります。
僕のボイトレ仲間のひとりは、高音の厚みをつけようと大きな声で叫ぶ練習を続けました。
その結果、喉を傷めて耳鼻咽喉科に通い、何ヶ月ものあいだ薬を飲むハメになりました。
練習方法を誤るということは、本当に怖いですね(;´Д`)
なので、大きな声で叫ぶことは絶対にやめてください。

3.まとめ
高音に厚みを出して声量をアップする具体的な方法は以下の通りです。
- 息もれのある裏声で「輪状甲状筋」を鍛える
- 息もれのない地声で「閉鎖筋」を鍛える
- ※裏声→地声の順番にトレーニングすることが重要。
また、以下のような方法で声に厚みを出そうとするのは、避けてください。
- 力づくでお腹に力を入れる
- 大きな声で叫ぶ練習
少しでも安全に、高音域での理想的な厚み(声の深さ)を身につけるためにも、コツコツ練習していきましょう。

応援しています。